業界の気になる給与事情(介護職の場合)
肉体労働が多く、責任も大きい立場にある介護士は、給料が意外に低いとうイメージがあるようだ。そこで、ここでは介護士の給与事情について話してみたいと思う。
平成27年に行われた賃金構造基本統計調査を見てみると、規模が100人から999人の福祉施設の場合、勤続年数約6年の介護士の平均給与は22万円前後であり、賞与などを含む年収は490万円前後となっているようだ。これは、他業種の平均年収と比べた場合、仕事内容に反して低いと思われがちだが、この数値には介護士の低年齢化が進んでいることや、在職する期間の短期化が影響しているといえる。なぜなら、10年以上勤務している介護士の場合、平均よりも高い収入を得ている場合も多いからだ。また、介護職の給与には、資格手当や時間外勤務手当が含まれることが一般的だ。資格手当は、無資格で介護の仕事をしている職員には支給されないが、国家資格所有者である介護福祉などには支払われる。さらに、時間外手当では夜勤や休日出勤に支給され、そういった諸々の手当てを合わせると給与も上がっていく。つまり、介護士としてキャリアを積んでいき、介護福祉士などの資格を取得すれば、給与や待遇を上げることもできるというわけだ。
介護業界で有利になる資格は、介護福祉士をはじめ、介護支援専門員(ケアマネジャー)や社会福祉士、精神保健福祉士、理学療法士や作業療法士などである。介護支援専門員は介護福祉士としての実務経験が5年以上あれば受験資格を得ることができるが、その他の社会福祉士から作業療法士は全て国家資格となるため、それ相応の準備が必要となるだろう。